私は日本で歯科医師をしていたこともあって、その経験を活かし出産前までオーストラリアで歯科助手をしていました。(当分は子育てのため専業主婦)
頑張ればオーストラリアでも歯科医師免許を取って働く方法もあるんですが、色々めんどくさいのでやめました。(オーストラリアの歯科医師免許を取る方法はまた別の機会に書こうと思います)
オーストラリアの歯科助手は時給25ドル前後となかなかお給料もいいです。
オーストラリアで歯科助手をするのに必ずしも資格はいらないのですが、オーストラリアでの Dental assisting の Certificate や、ある程度の勤務経験がないと雇ってもらえない場合もあります(歯科医院によります)。
でも、日本で歯科助手や衛生士をしていた人はその経験を買われてワーホリビザでもオーストラリアで雇ってもらえたという話を結構聞くので、もし日本で経験があればチャレンジしてみると良いです。
私もオーストラリアでの歯科関係の仕事の経験がありませんでしたが、元歯科医師という事で雇ってもらえました。
オーストラリアでは仕事探しは SEEK がメジャーです。

歯科医院で仕事をするにあたって、一番気になるのが英語での歯科用語だと思います。
ネットで調べると色々出てきますが、1つの器具に対して色んな呼び方があったりするので、どれがオーストラリアでメジャーな名前なのか混乱すると思います(私がそうでした(´・ω・`))
まあ先生によって器具・器材の呼び名が変わったりするのも事実ですが。。。
というわけで今回のブログでは、オーストラリアにおける歯科器具・器材の英語での名称について解説しようと思います。
オーストラリアの歯科医院で働いてみたい!という方は是非参考にしてみてください( ^ω^)
※日本でも英語名で呼ばれている器具は省略します。
器具・器材の英語での名称
基本的な器具・器材(検診・クリーニング・その他)
- 患者用エプロン:bib
- デンタルミラー:mouth mirror
- ピンセット:tweezers
- 探針:dental explorer
- 水とかエアーが出るシリンジ:triplex syringe
- 超音波スケーラー:ultrasonic scaler
- プローブ:perio probe
- バキューム(高速):high speed suction
- バキューム(低速):low speed suction
- 鎌形スケーラー:sickle scaler
- ポリッシングのハンドピース:prophy angle hand piece
- ポリッシングのラバーカップ:prophy cup
- ポリッシングのペースト:prophy paste
- コットンロール:cotton roll
- ガーゼ:gauze(発音は”ゴーズ”です)
- 綿棒:cotton tip 又は Q-tip(アメリカの商品名ですがうちのオージー歯科医師もこう呼んでいました)
- 表面麻酔:topical anesthetic (うちでは topical 又は topical gel と呼ばれています)
- 局所麻酔:local anesthetic (LAと呼ばれています)
うちの歯科医院では、下顎の大臼歯の処置の時は皆下顎孔伝達麻酔をするので、オーストラリアではスタンダートなのかもしれません。
浸潤麻酔の時は短い針なので short, 下顎孔伝達麻酔の時は block という略語を使っています。
日本で見たことがなかったもの
- frac finder:歯牙の亀裂を発見する器具
- dri-angle:三角形の形をした紙素材のもので、唾液の侵入を防いだり頬粘膜をタービンで傷付けないようにするために使います。
主なX線写真撮影法の種類
- 咬翼法:bite wing
- 根尖部投影法:PA (periapical X-ray の事で、根尖部まで撮影する方法)
- パノラマX線写真:OPG (Orthopantomogram) 私の歯科医院には無かったです。ないのが普通なのかな??
日本で見たことがなかったもの
- snap A-ray:PA を撮る時に使うX線フィルムホルダー
- XCP:バイトウィングもPAも撮れるX線フィルムホルダー
修復系の器具・器材
- レジン充填機:flat plastic / plastic filling instrument
- コンポジットレジン:composite resin(うちでは A2のE(enamel) とか z250 とかレジンのシェードや型番で呼んでくるので最初ややこしかったです )
- フロアブルレジン:flowable composite / flowable / SDR(商品名)
- エッチングジェル:etching gel / etch
- プライマー:primer
- ボンド:bond / adhesive
- 光照射機:curing light
- 咬合紙:articulating paper (単に paper と呼んでくる歯科医もいて最初ビビりました)
- 咬合紙:articulating paper holder
- サンドペーパーディスク:paper disk / disk / softlek(商品名)
- アマルガム充填器:amalgam carrier
セメント
- 酸化亜鉛ユージノールセメント:zinc oxide eugenol cement
- ガラス練板:glass slab
- 裏装材:cavity liner うちの医院では vitrebond を使っていました。
- 水酸化カルシウムセメント:calcium hydroxide cement(うちでは dycal を使っていました)
日本で見たことがなかったもの
- V-ring
- sectional matrix
これらは二級窩洞のレジン修復に使います。説明は下のビデオを見た方が分かりやすいと思います。
私は自分の大学でも職場でも全然見たことなかったんですが、使っている歯科医院もあるかもしれません。
根治用の器具・器材
- レンツロ:lentulo spiral, 又は spiral
- 次亜塩素酸:sodium hypochlorite
- 洗浄用シリンジ:monoject 又は irrigating syringe
- 根管シーラー:root canal sealer
抜歯用器具・器材
- 挺子:elevator
- 鉗子:forceps
- 生理食塩水:saline
- 縫合糸:suture
- 縫合糸を切るはさみ:suture scissors
その他
- ダッペングラス:dappen dish
- 歯肉圧排糸:gingival retraction cord
- 殺菌・滅菌:sterilization
- 消毒:disinfection
職場では名称を聞いたことがないけど、自分でネットで調べた器具(参考までに)
- 三又プライヤー:three-pronged pliers
- ラバーボウル:mixing bowl
- メス:scalpel
- シリコン印象材とかのガン:impression material gun
- 鋭匙:surgical curette
- 破骨鉗子:rongeurs
- 骨やすり:bone file
その他注意点
アマルガムをいまだにやる
オーストラリアではいまだにアマルガムを使う先生もいます。(若い先生はあまり使わない傾向にあります)
私はアマルガムを教科書の中でしか見たことなかったので、最初ビビりましたが、慣れれば簡単です。
Youtube などでアマルガム充填の動画を見て予習しておくと良いでしょう。
先生によって器具の呼び名が違う・商品名で呼んでくる
これは日本でもあることですが、先生によって器具の呼び方が違ったりするので、そこは慣れるしかないです。
咬合紙のことを “paper” というのは分かりますが、先生が frec finder の事を「ブルー」(色が青いから)と呼んできた日にはどうしようかと思いますた(´・ω・`)
また、一般名ではなく商品名で器具・器材を呼んできたりもします。注意しましょう。
勉強に役立つサイト
私は主に以下のサイトで勉強させてもらいました。
search の欄に “dental instruments” と打ち込んで検索すると、誰かが作った英語の歯科器材の単語カードが沢山出てきます。

こちらのPDFも参考になりました。



これを元に、自分で Anki を使ってオリジナルの単語カードを使って勉強しました。
※Anki についてはこちらの記事をお読みください。


